サンシャイン国際水族館にロシアラッコの赤ちゃんを見に行くの巻
2007.5.16

2007年6月2日、池袋・サンシャイン国際水族館で飼育されているロシアラッコ、ミール♀とルーチ♂の間
に赤ちゃんが誕生しました。
ロシアラッコに関しては現在国内で飼育されているのはここサンシャインのみで、またロシアラッコの繁殖例
としても国内では初めてという希少なケースのようです。

(ここで豆知識。ラッコには3種の亜種があり、それぞれカリフォルニアラッコ、アラスカラッコ、ロシアラッコ
(千島ラッコもしくはアジアラッコ)と呼んでします。日本の他水族館で見られるのは全てアラスカラッコ。)

私がちょくちょく情報などを見に行ってる「らっこ!らっこ!ラッコ」http://www.toshima.ne.jp/~seaotter/
では、出産する前月、妊娠の発表があってから毎日、ラッコたちの様子のレポートがありまして、それを
読みながら私も「いつ見にいけるかなぁ〜」と心待ちにしておりました。

で、出産から11日目の6月13日正午より公開が開始されるということがついにリリース。
最初の週末の15日午前、相方の赤ラッコと張り切って行って参りました。
 

サンシャイン国際水族館http://www.sunshinecity.co.jp/aquarium/index.html のエントランス。

ちゃんとラッコなのだ!
 

エントランスを入ってすぐにはラッコの赤ちゃん告知のPOP。またラッコ水槽横には赤ちゃんの成長記録
が詳しく書かれた看板が新設されてました。

水槽前には観覧用の台ができてまして、水槽からは一定の距離を保つように工夫されてました。また
水槽の左右にはフラッシュ撮影などを注意する係員が配置されてました。が、人は集まるわ係員の
マイクはうるさいわのカオス状態になってた。。。かも。

しかしそんな外の混乱には全く影響されることもなく、水槽内はお食事タイム中。
ちょうどお母さんのミールが飼育係の人から餌を貰って食事をしていました。

その間赤ちゃんは陸の上に載せられていました。食事をしながら赤ちゃんを確認している様子のミール。
それにしてもおもちゃだらけのプールだなぁ。(笑)

もう大分お腹一杯になったのか、鳴いている赤ちゃんが気になったか、しばらくすると赤ちゃんを陸から抱き上げて、
お腹に載せたまま餌を貰いに。
赤ちゃんの後肢はまだ紙みたいにピラピラで、抱き上げると水の滴がぽたぽた垂れてくる様子も可愛い。

そしてそのまま観客ブースの方に泳いできたミール。
もしかしてお客さんに赤ちゃんを見せに来てくれたのか?餌を食べつつ、ゆっくりとガラス側を横切ってくれました。
赤ちゃんとイカ切り身が一緒になっちゃってるのはご愛嬌。


あまり良い写真が撮れてなくてすいません。取りあえず以上の様子の動画

写真では茶色っぽいですが、生で見た感じは結構黒っぽい毛だったかも。>赤ちゃん
赤ちゃん特有の長い毛のせいか、体は1.5倍増しぐらいになっている感じでした。
 
 

さて赤ちゃんのお父さんのルーチですが。
どうも奥の部屋で給餌されていたようです。突然赤いバケツを口にくわえたまま、奥から飛び出てきてプールに突入!
バケツをひっくり返して中に残っていた餌を全部プールにぶちまけるという乱暴者ぶり。
(おりゃー!エサ持ってきてやったぞぉ!というつもりだったのか?)

。。。でもミールはこの騒ぎに一瞥もくれず、赤ちゃんを抱き続けるのでした。

ミールに無視されたルーチ、寂しいのか赤ちゃんを抱いたミールにちょっかいを出しまくり。
この様子は動画で。

水中から親子に近づく暴れん坊ルーチ(撮影者赤ラッコの希望BGMはジョーズのテーマのようです)
なかなかしつこいルーチ
あまりのしつこさに母、とうとう赤ちゃんを陸に上げる

結局ミールは赤ちゃんをおいてちょっとだけルーチにお付き合いしましたが、それも結構おざなり
だったかも。(笑)
一緒に見ていた赤ラッコ(人間♂)はルーチの気持ちが痛く分かってしまったようで、その後も
一人遊びしているルーチを見ては
「。。。オヤジ、拗ねてるよぉ。。。オヤジ、かわいそうだよぉ。。。」
と、一生懸命彼の姿をおってました。

ボールでガラスを叩く遊びがマイブームらしい。

でも一人遊びはつまらない?
 

一方でミールは赤ちゃんに授乳。授乳している間、お尻を舐めてあげてます。

授乳の様子
 

と、そこへ再びルーチ登場。
相手が授乳中で身動き取れないことをいいことに、ミールの背後に水中からガシッしがみついてます。
本邦初?ラッコの3段重ね。(写真、シャッターチャンスを逃してしまったなぁ)


 

最近、手をつないで寝るラッコのカップルの動画などで、ラッコのカップルは大変愛情深いもの
だと誤解されている向きもあるようなのですが。
そもそもの生態からいいますと、ラッコは普段雄と雌は別々に暮らしていて、交尾をする時だけ
3日から1週間程度一緒に暮らすだけだったりします。
交尾が終わると雌は雌同士の群れ(ラフト)に戻り、そこで出産を迎えます。また出産した雌は、
今度は赤ちゃんのいる雌同士でラフトを形成したりしたりするそうです。

ということで、雄の役割というのは種付けするだけというのが本来の姿なのですね。

だから今回ルーチが一人空気読めてないのも、それで当然なんだろうなぁと思った次第。
本当に男はつらいね。
(でも、赤ちゃんをおもちゃにしてない様子はエライぞ!)

また一番感動しちゃったのはミールのお母さんぶり。誰が教えたわけでもないでしょうに
ちゃんとどうやって世話をすればいいのか分かってるみたいです。
育児に適度に手を抜きながらも、優しく毛づくろいしたり、前脚でポンポンとあやしてみたり、
お尻をなめてあげたり、立派にお母さんしてました。
母性本能の力、強し!さすがに伊達に「本能」と名乗ってないわけだ。

余談:
(うちで飼っていた犬が出産した時は、初日こそ母犬らしいことをしてましたが、
赤ちゃんの排泄をさせるためにお尻を舐めることを知らなかったらしく、2日目
で育児放棄。だから近年育児放棄でラッコの赤ちゃんが育たないという話も
そーゆーことだろうなぁ、と想像してました)

普通、動物の赤ちゃんってその赤ちゃん自体が主役になってしまうわけですがぁ。
ことラッコに関する限り、赤ちゃんは勿論、その赤ちゃんを抱きしめるお母さんも可愛く
見えて、そういうところは反則なんじゃねーの(笑)と思う部分もあるんですけどね。
でもミールは可愛さだけではなく、母の逞しさも感じさせてくれたのでした。
 

折角きたのでラッコ以外の仲間もご紹介。

クラゲ。これも赤ラッコが好きな被写体だなぁ。

入り口最初にある珊瑚水槽。本当に綺麗です。

野外ステージではアシカショーがやってました。
私らは日差しのあまりの強さに負けて、早々にリタイヤ。
しかし周りの子連れ家族たちは、全く平気そうでした。。。。。すごい。

何故か居なかったラッコの親戚、コツメカワウソ。そして右はどこにでもいるアノ、ペンギンさん。

左、マーラ。右、メガネザル。
マーラ、カメラを見た途端、ちゃんとポーズをとるのであります。モルモットに近い動物らしい。

アリクイ。何故か一番高いところから降りてこない。

そしてマンボウ。


 
 

高校以来久しぶりに訪ねたサンシャイン水族館。
車で行くと首都高から直接入れて、立地は文句なし。但し建物の中の水族館ということで、
正直狭い割りに入場料高いような気もします。が、そんなあなたに朗報。
サンシャインカードを作れば水族館の入場料は半額になるそうです。
http://www.sunshinecity.co.jp/information/card.html
何度か来るつもりであれば、作っておいて損はないかも。





さて、皆さん、ニュースなどでご存知かもしれませんが。
レポートしましたラッコの赤ちゃん、残念ながら6月21日に死亡しました。

原因はルーチがミールにじゃれた際に歯が赤ちゃんのお腹に当たったことによる怪我だった
とのことです。私たちが見に行った翌日の事故だったそうです。

雄を隔離しなかったことなど、後から色々言うことはできますが、でもこういった、赤ちゃんが
怪我をするという事故はきっと自然界でもあることでしょうし、あんなに慎重に出産、飼育に
係りきりになってた水族館のスタッフの方々が、何も考えずにやってたとは絶対思いません
から、そういう類のコメントはしたくありません。

(以下、上手く言えないんですけど)

私がラッコに興味を持つキッカケになった「ラッコの道標」という本があります。
この本の最後の方にこんな話が載ってました。
著者がジャック・マイヨール氏に、自分の勤める水族館を見に来ないかと誘った時
マイヨール氏はこう言ったそうです。
「イルカがとても好きだが、ボクは海で一緒に泳ぐことができる。 
その彼らが狭い水槽の中にいるのを見たくはないんだ。
でもだからといって、水族館を否定しているわけではない、
水族館のイルカを否定するということは、ボクと同じことができない全ての人を否定することだから」

今回、ミールとルーチの子供は、本当に短い間でしたが、野生のラッコを見に行く
ことのできない私たちに色々なことを教えてくれたと思います。

本当にありがとう。赤ちゃん。

そして近い未来、またミールとルーチの間に赤ちゃんが産まれ、私たちに微笑ましい
姿を見せてくれるであろうことも信じています。
なにしろ2頭はまだ5歳のラッコたちなのです。

その時はまたいそいそと池袋まで出掛けていきますからね。
ミール、ルーチ。よろしく頼んだよ!
 

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